2005年11月15日

携帯防災のすすめ(その9)


・帰宅訓練

 これまで十数回にわたって携帯できる防災用品を紹介してきたが、安全に帰宅するためにはぜひ一度、実際に歩いてみることをお奨めしたい。事前に決めておいた帰宅ルートを実際に歩き、非常時の視点から周辺を観察することで、万が一のときには安全に行動できる。「訓練は実戦のごとく、実戦は訓練のごとく」とはこういう意味なのだろうと考えている。

 私は横浜市の南の外れのほうに住んでおり、毎日電車を使って東京都世田谷区内にある大学に通っている。距離にするとおおよそ35km程度なので、歩く速度を時速4kmとすると8時間強という計算になる。ちょうど文化祭前の準備とやらで午前中のみの用事があったので、その帰りに帰宅訓練を行った。

 特に用事のない日にしなかったのは、実際の災害時に体調が万全だとは限らないと考えたからだ。瓦礫の除去や応急処置、さらには怪我などで帰宅できる時期には体力的にも精神的にも疲労していることが考えられる。電話の不通が続いていれば家族の安否も心配になる。そういうわけで、災害時にかかる負担には遠く及ばないが、実際に体に負荷をかけてみた次第だ。

 日時:平成17年11月3日(木)
 経路:武蔵工業大学→(多摩堤通り)→丸子橋→(綱島街道)→菊名駅→(旧綱島街道)→横浜駅周辺→(国道16号)→関内駅→(国道16号)→吉野町交差点→(鎌倉街道)→本郷台駅(自宅の最寄駅)→自宅
 天候:曇り時々雨

1150 出発
 多摩川沿いの住宅地を河口へ向かって歩く。午前中に行った作業は荷物運びで、さほどの負荷にはならなかった。30分ほどで丸子橋に到着し、多摩川を渡って神奈川県へ。橋を渡り終えると交差点が見えたので左に曲がる。その先に見えた標識には「横浜 19km」とあった。

1240 武蔵小杉駅付近で10分休憩
 丸子橋から菊名駅までは通学に利用している東急東横線に並行する形で歩くことになる。最近は女性専用車が入って乗りにくくなった…。閑話休題。駅近辺にあるスポーツクラブの入り口で小休止し、昼食代わりのグラノーラビスケットを頂く。水分は出発直前にプラティパスに入れた2リットルほどと、500mlペットボトルに入れた麦茶があるので、先に麦茶から消費した。

1325 日吉駅を通過
 この頃になって足の痛みを知覚し始める。日吉駅前は地下鉄の工事と大量の自転車が障害になり、迂回が必要になるかもしれない。

1340 北綱島交差点で10分休憩
 基本的には50分歩き、10分休憩というスタイルを繰り返して行動している。松下電工の建物があったのでその北側の交差点脇に座り込んで小休止。

1405 鶴見川を渡る
DSC00039.JPG 今回は最短距離を通る経路を選択したが、地震の際には橋が落ちていることも十分に予想できる。しかし、自主防災組織が渡し舟を行っていたり、大きな道路ならば自衛隊が橋を架けていたりする可能性もある。いずれにしても状況をよく見極め、臨機応変に対処したい。

1440 菊名駅で10分休憩
 私はこの時点で、予定より早く帰宅できると考えていた。しかしこの予想は次の行程で大きく裏切られることになる。

1540 神奈川工業高校付近で10分休憩、救難食糧Aを消費
 疲労からか、行動距離が少し短くなった。足の痛みはだんだんと無視できなくなりつつあり、以降の行程の険しさを予感させる。最大の難所になるであろう横浜駅はもうすぐだ。

1603 雨が降り出す
 反町駅を過ぎたあたりで雨が降り出した。通り雨のようだったのですぐやむと思っていたのだが、予想に反し雨足が強まったのでやむなく一時休止し、ザックカバーを用意した。もっとも、この後しばらくすると止んでしまったので全くの杞憂に終わったが。

 この後、横浜駅を迂回して六角橋を渡り、桜木町方面へ抜けるルートを取った。

1640 高島町交差点で10分休憩、救難食糧Bを消費
 雨はほぼ止んだが、そろそろ暗くなるので行動には注意を要する。

1745 吉野町駅前バス停で10分休憩
 この間、関内駅手前から国道16号に入ったのだが、足の痛みはピークに達しつつあった。過去にハイキングや登山で長い行程を歩いたことはあったのだがそれでも20km程度なので、少なくとも19km以上歩いているこの時点での疲労は今までに経験したことのないものだった。

1840 上大岡駅で10分休憩
 長いこと我慢していたのだが耐え切れず、ついにトイレに駆け込む。なお、全行程中トイレに立ったのはこの1回のみである。なお、災害時にはトイレをはじめとする衛生設備が不足することが予想されている。可能ならば使い捨ての携帯トイレもセットに加えたいが、良さそうな製品はまだ見つかっていない。

2025 本郷台駅に到着
 8時間35分かけてようやく帰宅することができた。10分ずつ休憩を入れているので、歩くときの速度は時速4kmより若干速いことになる。なお、この後3日ほど足、腿、肩の筋肉痛が取れなかったことを付け加えておく。


 帰宅訓練を終えた段階で気づいたいくつかの改良点があるが、長くなったので項を改めて紹介したい。
posted by 火銛 at 22:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 防災 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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