2005年07月27日

着陸失敗で600万円


「説明なくタッチ・アンド・ゴー」乗客がJALを提訴(読売新聞)

 日本航空の旅客機が、着陸態勢から急激に離陸する「タッチ・アンド・ゴー」を行って着陸をやり直したにもかかわらず乗客に説明がなく、精神的ショックを受けたとして、水戸市の弁護士と友人の会社役員2人の計3人が、日本航空を相手取り、計600万円の損害賠償を求めて水戸地裁に提訴した。

 訴状などによると、弁護士らは2001年4月27日、成田発の韓国・釜山行き日本航空957便に搭乗。釜山の金海国際空港に着陸する際、機長は一度ランディング・ギア(着陸脚)を滑走路に接触させたが、管制塔の許可を得ていなかったため、タッチ・アンド・ゴーを行い、上空で転回して着陸したとしている。

 弁護士らは帰国直後、訴状を準備したまま提訴を見合わせていたが、同社で不祥事や航空機のトラブルが続いていることから今月8日、「警鐘の意味で提訴した」という。

 同社広報部は「タッチ・アンド・ゴーの記録が残っているかどうかについては答えられない。その他についても訴状が届いたばかりで、コメントできない」としている。
(2005年7月27日14時46分)

 この記事を見て疑問に思ったことがある。まず、慰謝料1人当たり200万円と算定した根拠は何か。タッチ・アンド・ゴーで精神的苦痛を受けたとあるが、記事を見た限りではこの乗客はその際に減圧症に罹ったわけでも、怪我をしたわけでもないようだ。さらに、原告は韓国人ではない。にもかかわらず慰謝料を要求する理由が理解できない。

 原告は「警鐘の意味で提訴した」としているが、それでは慰謝料の理由を説明できない。慰謝料とは、重大な損害を被った個人または団体に対して支払われるものだからだ。原告はJAL機のタッチ・アンド・ゴーによって精神的苦痛を被ったそうだが、「警鐘の意味で提訴した」のならば、慰謝料を求める必然性は存在しない。

 次に、この訴訟がJALに対する営業妨害にならないのかどうかだ。資本の多寡を問わず、企業にとって顧客に訴えられることはそのイメージに大きな損失をもたらす。訴訟の内容自体は取るに足らないものだが、この記事を読んだ人がJALの利用を控えるケースがないとも限らない。もっとも、JALは頻発する整備ミスによってその企業イメージを著しく傷つけてはいるが。

 ともあれ、「乗客に説明が無かった」というだけで600万円もの損害賠償を請求する根拠があるとはいえない。良識ある裁判官がこの訴訟を棄却することを望む。
posted by 火銛 at 22:54| Comment(0) | TrackBack(1) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Excerpt: 「説明なくタッチ・アンド・ゴー」乗客がJALを提訴  日本航空の旅客機が、着陸態...
Weblog: ローマ帝国すぽーつ120円
Tracked: 2005-07-27 23:46
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