2005年07月15日

国際貢献はプロ野球ではない


国際貢献参加で自衛隊と別組織…法案提出で民主一致(読売新聞)
 民主党は14日の総合安全保障調査会役員会で、国連安保理決議に基づく多国籍軍などに参加するため、自衛隊とは別組織を新設することなどを柱とした「集団安全保障基本法案」(仮称)を今国会に提出する方針で一致した。

 次期衆院選での政権公約(マニフェスト)にも明記する方向だ。

 同法案は、日本の国際協力や国際貢献の在り方を定めるもので、同党が昨年夏から検討していた。

 民主党はまだ懲りないらしい。小沢一郎氏が「国連待機部隊」なる国際貢献専門の組織を設立する提案をして国民の失笑を買ったのは記憶に新しいが、この種の提案の実現可能性や合理性を考えたことがあるのだろうか。

 理解できないことだが、そもそも派遣先が多国籍「軍」であるならば、なぜ事実上の「軍隊」である自衛隊を派遣してはいけないのか。多国籍軍が必要となるような状況とは、内戦状態で政府の権限が及ばないか、政府自体が機能していない場合だろう。そのような状況で、軍人でない人間が活動することはきわめて危険を伴う。

 このような状況における軍隊の利点はその自己完結性にある。軍隊は戦闘だけではなく、物資の輸送、陣地の構築、医療、人命救助などの様々な活動ををほかの組織に依存せずに独力で行うことができる。そして、当然ながらこうした能力の高い組織を維持するためには、多額の予算を必要とする。

 そのような「金のかかる」組織をもう一つ作ってしまおうというのだから、民主党の諸氏は官僚の無駄遣いを責められないはずだ。防衛庁webサイトによると、平成17年度の防衛予算額のうち人員・糧食費は2兆1,562億円であり、総予算額4兆8,301億円の44.6%を占める。そして、陸上自衛隊の15万人は、自衛官25万人のうちの60%を占める。従って、仮に国際貢献部隊の人員を2万人と見積もった場合、必要な人件費は約1,700億円、活動で使用する装備の維持費用を含めると、約4,000億円の予算が新たに必要になる。日本の国家予算の0.5%に相当する額である。さらに、これらの装備と人員の輸送に必要な艦船、輸送ヘリ、車両なども考慮すると、初年度の予算は8,000〜9,000億円程度となる。自衛隊とは別組織なのだから、装備を共用することは日本行政の体質からして無理だろう。云うまでもないことだが、国際貢献部隊が実現すればこれらの費用を負担するのは当然、国民の税金になる。

 国連待機部隊のときもそうだが、民主党は何か自衛隊に恨みでもあるのだろうか。海外派遣用の部隊を作りたいのなら自衛隊に専門の部隊を設置し、装備を整えれば災害派遣のときにも活用できる。事実、EUや米軍は常設ではないものの、緊急展開軍と称する有事即応性を備えた部隊を設置している。費用の面でも、人員と装備はすでにあるので防衛予算に少し上乗せして、訓練や部隊の維持に要する費用のみでよいことになる。国際貢献はプロ野球やJリーグではないのだから、一軍、二軍を作ることは全くもって無意味だ。


07/15追記
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posted by 火銛 at 12:41| Comment(0) | TrackBack(1) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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