2006年01月21日

牛肉の借りを戦闘機で

米国産牛肉を再び禁輸=ブッシュ政権が緊急対策表明(時事通信)

  【ワシントン20日】日本政府は20日、成田空港に到着した米国産牛肉にBSE(牛海綿状脳症)の原因物質が蓄積する特定危険部位の脊柱(せきちゅう)が混入していたとして、再び禁輸措置を取った。米国産牛肉は昨年12月に輸入を再開したばかり。米国はジョハンズ農務長官が禁輸発表の数時間後に記者会見、加藤良三駐米大使に「極めて遺憾だ」と伝えたことをことを明らかにし、日本に検査官を派遣するなどの緊急措置を取る方針を表明するなど対応に追われた。

 ジョハンズ農務長官は「米国の規制の下では、日本に輸出された背骨や脊柱は月齢30カ月以下であるため、特定危険部位ではない。しかし日米の輸出再開の合意では脊柱は含まれないことになっている」と指摘。「これは安全性の(基準)問題ではなく、日本との合意条件を守れなかったという米国側の受け入れられない失敗だ」と米国側に落ち度があったことを認めた。

 その上で「我々はこの問題を深刻に受け止めている。牛肉輸出市場の重要性を認識しており、迅速かつ断固とした行動を取る」と強調した。

 同長官は、農務省の検査官を日本に派遣し最近輸出され承認を待っているすべての米国産牛肉を日本の当局者と協力して再検査すると同時に、日本向けの牛肉輸出を承認されているすべての工場に検査官を追加派遣すると明らかにした。さらに問題の牛肉を調べた農務省検査官が適切な処分を受けるとの見通しを示すとともに、出荷した食肉処理工場の対日輸出許可を取り消したと語った。ただ工場の名前は明らかにしなかった。

 一方マクレラン米大統領報道官は同日記者団に対し、「米農務省当局者が日本側と緊密に接触し、我々が再禁輸措置を深刻に受け止めていることを伝えている」と述べた。〔AFP=時事〕

 2年ぶりにようやく輸入が再開された米国産牛肉が再び輸入停止となったが、このニュースは輸入のための条件を1ヶ月で反故にされた形のわが国では大きな衝撃をもって伝えられた。マスコミは早速危険部位を混入した業者を突き止め、我先にと追及を行っている。

 2年前の禁輸措置の際と同じく大きな打撃を受けることになるのは吉野家をはじめとする外食産業だが、同業他社が牛肉の輸入を豪州産や中国産などに切り替えてリスクの分散を図る中、吉野家は頑なに米国産を守り通していた。安価な牛肉を大量に供給するためには米国産しかないとの考えだろうが、すき家やらんぷ亭などは100円程度高い価格でも肉の安定供給に成功しつつある。

 今回の再禁輸措置は米国内でも伝えられ、米国の食肉業者は怒りの声を上げているようだ。ワシントン・ポスト紙(英語)によれば、米国牧畜業者協会のGary Weber氏は「今回の禁止部位混入は不運な事故であり、狂牛病のリスクをもたらすものではない」とコメントしている。また、アジア諸国の中で日本は最大の顧客であり、禁輸前は米国産牛肉の輸出額39億ドルのうち、14億ドルを輸入していたという。米国にとって日本の市場は相当に魅力的なようで、禁輸解除も米国側の再三の要請があって実現した。

 だが吉野家を別として、一般家庭ではさほどの影響を受けなかった。牛肉の値段が上がっても豚肉や鶏肉は価格を維持していたし、禁輸に伴って国産牛肉の価格は上昇したものの国民が栄養失調を起こすほどの影響ではなかった。6月に執筆した「今度の夕食は鯨」でも触れたように、米国は自国の牛肉を売るために日本人の貴重な蛋白源であった鯨の捕獲に対して圧力をかけている。

 かといってこのまま禁輸措置を続けると将来的には米国の対日政策に大きな影響を与えかねない。特に政権が民主党に移った場合には外交上かなりの困難に直面することになるだろう。この問題を、米国から牛肉に匹敵する高額の買い物をすることで解決できないだろうか。例えば、F/A-22戦闘機は現用のF-15を凌駕する最新鋭の戦闘機で、非常に高額でもある。仮に購入にこぎつけたとしても1機200億円ほどになると言われており、この非常に高い価格が新戦闘機選定の際のネックとなっていた。1ドル=115円として計算すると、200億円は1億7400万ドルに当たり、8機ほどで米国産牛肉の輸入総額(禁輸前)である14億ドルに達する。実際には少なくとも50機は購入することになるだろうから87億ドルほどかかることになる。

 日本がこのF/A-22を購入する場合、米国はライセンス生産を認めないだろうとも云われていた。しかしライセンス供与が実現すれば米国は工場を動かさずに設計図だけで巨額の利益を手にすることができる。米国政府はその税収を元に畜産業者に補助金を交付する。さらに日本の企業も仕事がもらえて一石三鳥である。唯一の問題は防衛予算だが、農水省と外務省から分捕れば…無理か。だが毎年8機ずつ48機を購入するとすれば、向こう6年間は牛肉を輸入しなくとも外交問題にせずに済む。実際には軍事機密上の問題もあって難しいだろうが、一考の余地はあるのではないだろうか。
posted by 火銛 at 22:33| Comment(2) | TrackBack(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
調本のOBにラプターを導入してくれと酒の勢いに任せて頼んだら、金がないといわれました。(席上では空母・戦艦の建造も主張しましたが・・・空母8隻戦艦8隻で八八艦隊というのもいいかも。戦艦を何に使うかといえば艦砲射撃ですかね?);^^
防衛費も減らされていますし、難しいですね。もっとも、暫くはF-15は世界最強の座を維持し続けるでしょうから大丈夫だとは思いますが。
それよりも、総連経由で03式のデータが朝鮮に流出したとか。防諜法はまだですかね〜
Posted by TFTRDH at 2006年01月24日 16:21
03式誘導弾の件もそうですが、気になるのはヤマハが中国に不正輸出した無人ヘリのことです。新華社によるとすでに中国製の無人ヘリを開発する段階まできているようです。

http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/asia/news/20060125k0000m030048000c.html
Posted by 火銛@管理人 at 2006年01月24日 20:35
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